三刀屋高校掛合分校(雲南市掛合町掛合)演劇同好会の奮闘を追ったドキュメンタリー映画「走れ!走れ走れメロス」の続編「メロスたち」が9月、東京・下北沢映画祭で初上映された。島根の片田舎で演劇を始めた高校生たちの、その後に迫った。監督を務めたのは前作に続き、折口慎一郎さん(35)=東京都在住。今回の映画の中心になったのは、掛合分校で演劇に出会い、文学座(東京)の研究生になった曽田昇吾さん(19)だった。映画祭で登壇した2人を直撃し、映画について話を聞いた。
(Sデジ編集部・鹿島波子)

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 前作の映画「走れ!走れ走れメロス」は、まだ新型コロナウイルス禍の2021年、それまで演劇と無縁だった三刀屋高校掛合分校2年生4人が、演劇同好会顧問の亀尾佳宏さん(50)=現松江工業高校教諭=と出会い、太宰治の「走れ!メロス」を題材にした演劇に挑み、ステージに立つまでを記録した。続編の今回はその翌年、演劇の道に進もうと決めた曽田さんを軸にし、その後の4人の関係と、再び集った卒業公演の様子を描いた。

映画「メロスたち」のワンシーン。一人で舞台に立つ曽田昇吾さんの後ろ姿(Production26提供)


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-なぜ続編を撮ろうと思ったのか

 折口「3年生になり、曽田君が地区大会に一人芝居で出るに当たり、前作の映画の映像を舞台中にバックで投影したいという依頼があった。もちろん許可したが、...