「ステルス」という言葉をよく聞く。元々は隠密のこと。軍用機などの機体を敵のレーダーに捕捉されにくくする技術をいう言葉だった。ところが、最近では「こっそり行うこと」を意味するようになった▼ステルスマーケティング(ステマ)。フジテレビのアナウンサーが美容院で、無料や特別価格のサービス提供を受け、その見返りに店の看板の前で撮影するなどして自身のSNSで公開。店の宣伝に一役買っていた、と週刊誌が報じた。店の広告と明示しない形の広告、つまりステマだと取られても仕方ない行為だ▼先日、本紙こだま欄で、ギョーザを焼こうとフライパンに入れたらスカスカ。明らかにいつも買うギョーザが小さくなっていた、との投稿があった。同じ値段で内容量が減り、実質値上げされている。ティッシュペーパーなども含め「ステルス値上げ」が横行していると▼わが家で話題になったのは食パンだ。いつもの食パンが知らぬ間に幅1センチ、高さ1.5センチほど小さくなっていた。肥満気味の身には好都合、などと笑っていられない。このところ大豆の高騰で食用油が急騰。マヨネーズをはじめ、小麦粉、輸入牛肉も値上がりしているという▼島根県統計調査課によると、4月の松江市消費者物価指数は生鮮食品、エネルギーを除くと前月比0.4%下落している。ステルスではなく、〝値上げミサイル〟はこれから飛来しそうだ。(富)