島根県高校新聞コンクールで最優秀賞を受けた出雲高校の「鷹の澤新聞」
島根県高校新聞コンクールで最優秀賞を受けた出雲高校の「鷹の澤新聞」

 一生懸命に向き合った生徒たちの熱意が伝わってきた。先日開催された島根県高校新聞コンクールで審査に携わった。本年度は安来、松江南、出雲、出雲工の4校が出品した。

 新聞はA3判やA4判、縦書きや横書きと、スタイルはさまざまで、それぞれに特色がある。校内の行事や話題、県総体などを題材にして、レイアウトを工夫。受け取った一般の生徒にとっても高校生活の思い出、大切な記録になりそうだ。新聞記者でも簡単ではないスポーツ写真もアングルを考え、よいタイミングで撮影されており、目を見張った。

 審査の結果、最優秀賞は出雲が9年連続で選ばれた。手がけているのは「鷹(たか)の澤(さわ)新聞」。3年生を含めた部員は約40人。今年も号外などを合わせて14回発行と活発だ。学校から出て、出雲神話まつりといった地域行事についても取材。読者アンケートの提案を受けた「校長・生徒会長対談」など、趣向を凝らした企画や特集に取り組む。

 何より本格的なのが、論説とコラムのコーナーを設けていること。論説ではマスク生活、教育費無償化、チャットGPTといったテーマも取り上げ、主張を交えて展開している。

 若者の新聞離れが言われて久しい。ネットニュースのコメント欄などでは、匿名で言いたい放題になりがちだ。そんな時代にあって、高校生が責任を持って文章を書き、他者に思いを伝えようとする姿勢がすがすがしい。(彦)