かつて結婚について「3高」という言葉をよく耳にした。結婚を考える女性が男性に求める条件のことで高学歴、高収入、高身長の〝三つぞろい〟。女性の高望みと言われた。あからさまに口にすることは少なくなったものの、今でも男性にとって暗黙裏に、結婚のハードルを高める要因になっているとする声も根強い▼『子どもが減って何が悪いか!』の著者である社会学者の赤川学氏は、その声の論客。赤川氏によると、日本が直面する最大の問題である少子化要因の9割は結婚件数の減少であり、女性が男性に求める学歴がその傾向に少なからず影響しているという▼学歴に関して、自分より上を求める上昇婚、同じくらいの同類婚、下を伴侶とする下降婚の三つに分類すると、2007年に東京大社会科学研究所が行った全国調査で、実際に女性が選んだのは同類、上昇、下降の順だった。全体の4割の同類婚は下降婚の2倍近くになる▼厚生労働省が先ごろ公表した昨年1年間の国内結婚件数は52万5490組で戦後最少。出生数も84万832人と1899年の統計開始以来最少だった。コロナ禍の影響を割り引いても少子化と並走する非婚、未婚の流れは止まらない▼結婚しないのか、できないのか―。女性の高学歴化が進むほど、上昇婚の選択は窮屈になりそうだ。男女ともに結婚の「学歴フィルター」の目をもっと粗くしてくれませんか。(前)