冬場の観光対策として制作された冊子「出雲そばと美食の旅」=出雲市今市町、出雲市役所
冬場の観光対策として制作された冊子「出雲そばと美食の旅」=出雲市今市町、出雲市役所

 観光客が落ち込む冬場対策として、出雲市や地元経済団体が、市内のそば店や飲食店を紹介する小冊子「出雲そばと美食の旅」を4万部制作した。125店舗をはじめ、観光施設や地酒も紹介。飲食店や観光施設に置き、無料で配布する。掲載店を巡るスタンプラリーを併せて実施し、市内での滞在時間の延長を目指す。

 市や出雲観光協会、地元の商工会議所、飲食店などの組合でつくる実行委員会が、約400万円をかけて作成。観光客の立ち寄り場所を増やそうと、本年度はそば店に加え、ウェブで紹介していた飲食店も1冊にまとめた。

 小冊子は、A5判のカラー42ページ。店舗の営業時間や席数などの基本情報に加え、各店のおすすめメニューを掲載している。市内の観光施設や期間中のイベント案内、地酒特集もあり、日本酒発祥の地と伝わる佐香神社(出雲市小境町)、市内4蔵元の特徴を説明している。

 来年2月末まで、掲載店や施設を巡るモバイルスタンプラリーも開催。店舗やイベント会場にあるQRコードをスマートフォンなどで読み込むと、スタンプがもらえ、数に応じて宿泊券やしまね和牛などのプレゼントに応募できる。市は6千人の参加を目指す。

 昨年度の市の観光入り込み客数は2月が39万9千人と年間最低で、最も多い11月(123万人)の3分の1未満だった。担当した市観光課の糸賀文子主事は「寒い時期だが、冬場はおいしいグルメも多い。冊子を手に、観光客の方にいい思い出をつくってほしい」と話した。
(佐野卓矢)