山陰両県屈指の温泉地・玉造温泉街(松江市玉湯町玉造)に、年間来訪100万人のにぎわいを呼び戻した手法や裏話をまとめた書籍「玉造温泉の奇跡 観光ブランディング入門」が発売された。著者は地域おこし会社「玉造温泉まちデコ」(同)の角幸治社長(48)で、温泉街再生の立役者の一人だ。11日から販売する今井書店のオンラインサイトでは両県に関する新刊で販売部数1位となり注目を集めている。 (中村成美)
角さんは2000年に玉造温泉の老舗旅館に就職。07~20年に松江観光協会玉造温泉支部の嘱託職員を務め、同時期にまちデコを有志と設立した。玉作湯(たまつくりゆ)神社(同)を縁結び祈願の地にしたり、美肌の湯を売りにした化粧品開発を手掛けたりと、第一線でまちづくりに取り組んできた。
著書では、地域おこし活動前から16年の全国温泉総選挙グランプリ受賞までの10年間を、活動に携わったキーマン20人以上の発言や行動を軸にノンフィクションの物語形式で紹介。関係者との会議の様子や倒産危機を迎えたまちデコの裏話なども盛り込んだ。
GOEN出版発刊で四六判、316ページ。両県の今井書店、玉造温泉美肌研究所姫ラボ、玉造アートボックスで、1650円で取り扱う。
角さんは「まちづくりに携わる後進の道しるべになればうれしい」と話した。
発売を記念し26、27日の午後1~3時に松江市玉湯町玉造の玉造アートボックス前でサイン会を開く。