国民民主党島根県連・森本秀歳代表
国民民主党島根県連・森本秀歳代表

 衆院島根1区補選が16日に告示される。全国3補選のうち、唯一の事実上の与野党一騎打ちとなる見込みで、勝敗は岸田政権の行方を左右する。「政治とカネ」の問題で、国民の政治不信が高まる中、地元の各党責任者に党が抱える課題への認識や対応、補選での戦い方を聞く。
 (聞き手は政経部・高見維吹)

 ―昨年、自公連立政権に国民民主党を加える「連立」構想が政界をにぎわせた。国民は与党入りをいとわないのか。

 「誤解だ。2022年度の当初予算、23年度の補正予算に賛成したが、ガソリン税の一部を減税する『トリガー条項』の凍結解除に向けた3党協議への道筋をつけるためだ。ただ、交渉相手だった自民党の萩生田光一氏(当時、政調会長)が自民派閥の政治資金パーティー裏金事件でそれどころではなくなり議論が進まず、結果的に自民、公明党、国民の3党協議から離脱した」

 ―凍結解除は国民単独での法案提出に方法を切り替えた。

 「立憲民主党や日本維新の会とも調整したが、折り合わなかった。生活に車が必須な地方のために凍結解除は諦めず訴えていく」

 ―野党との距離を縮める動きがあるが、どの党と連携したいのかが見えない。何を目指しているのか。

 「都市と地方の格差が広がっている。よりよい暮らしを目指すのに政治的イデオロギーは関係ない。立民が掲げる連立構想は野党間の共通理解が必要で、まとまりが見えない。他党とは政策本位で連携する。譲れないところは譲れないが、日常的なコミュニケーションは欠かさず続ける」

 ―党内では昨年末、元代表代行の前原誠司氏を含む4人が離脱した。ごたごたが目立つ。

 「反自民を強調していた前原氏が抜け、他党とは政策本位で連携していく方針が改めて党内で統一されたと考えている。正論はなかなか受け入れてもらえないかもしれないが、党が目指す根幹は変わらず、中道で対決より解決だ」

 ―衆院島根1区補選で立民元職の支援を決めた。

 「独自候補の擁立を模索したが、支援組織である連合島根の推薦決定を尊重した。党本部の意向もあり、支援は県連レベルだが、立民県連、連合島根とは民主ネットワーク会議を毎月開き、情報交換や共通認識をすり合わせている。自分が選対のメンバーにも入っている。微力ではあるが皆さんと共に力を尽くしたい」

  =おわり=