錦織功政氏
錦織功政氏

 酒屋を営む松江市内の実家で高校卒業まで過ごした。そこでの手伝いが社会に触れた原点だ。居酒屋やホテルの裏口からビール瓶のケースを運びながら、「社会の厳しさを学んだ」と話す。

 次男だったので家業を継がず、公に尽くすと誓って財務官僚になった。転機は復興庁への出向。東日本大震災の被災地で地域再生の難しさを実感し、古里に思いをはせた。「30年間の知識と経験を島根のために生かす」と、自民党島根県連の公募に手を挙げ、候補者に選ばれた。

 松江に戻り、中心市街地が空洞化したと感じる一方、宍道湖や松江城の景観や茶の湯文化は変わらないと感じ、「磨き上げ発信したい」と決意する。集まってくれた同級生とともに、選挙戦を戦う。

 候補者として多忙な日々が続く中、ラーメンの食べ歩きが息抜き。島根に拠点を戻して口にする地元の1杯を「地域の特性が生きている」と評価し、「島根のラーメン文化を広げたい」と笑う。

 保守王国が「政治とカネ」の問題で逆風を受ける中での戦い。「有権者の信頼を取り戻したい」との決意を胸に地域を回る。55歳。

(白築昂)

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 衆院選島根1区補選が16日に告示された。立候補した2人の素顔に迫った。

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