
「デイビッドのママはいつもいう…だめよ、デイビッド!って」。主人公のデイビッドは、実にいろいろとやらかします。泥だらけの体で家に入ったり、裸で外に飛び出したり。とうとう最後はおうちの中で野球をして、花瓶を割ってしまいます。
そこでようやく、涙を流して反省。ママは「ほうらわかったでしょ、デイビッド!」「こっちにおいで」とやさしく呼び寄せます。ママに「よしよし、デイビッド…だいすきよ!」と抱きしめられているデイビッドは、何とも安心した愛らしい表情を見せます。
読みながら、親である自分も、わが子に対してすぐ「だめよ!」って言っていたなあと反省し、背中がむずがゆくなりました。
次作の「デイビッドがっこうへいく」では学校でも先生に「いけません!」と叱られっぱなし。3作目の「デイビッドがやっちゃった」では、いたずらをするデイビッドがひたすら言い訳をしますが、最後は「ごめんなさい」を言えて、ママに頭をなでられ「ママ、だいすき」と言いつつ眠りにつきます。
デイビッドの行動は衝動的だったり、多動だったりします。2作目の表紙にデイビッドが書いた英文があり、単語のつづりは間違いがあります。本文の文字も乱暴なタッチの手書きで、まるでデイビッド本人が書いたかのようです。

いずれの作品もデイビッドは母親や先生に褒められたり、認められたりするハッピーエンドで、ホッとします。読者の皆さんはお子さんの良くない「行為」を叱ることはあっても、それ以上にいいところを認め、「ほめるで終わる」関わりを意識してみてください。
そしてしっかりお子さんの名前を呼んで、行為を具体的にほめて「ママ/パパもうれしかったよ」と伝えてあげるといいでしょう。