今年、小学生の間で最も流行した言葉は「切り替えピース」らしい。ベネッセの通信教育講座「進研ゼミ小学講座」が、小学1~6年生の会員を対象に毎年実施しているアンケートで1位になった.
ユーチューブチャンネルから生まれた言葉。「きーりーかえー」のかけ声の後に手を2回たたいて、ピースポーズを作るパフォーマンスだそうだ。先日、テレビのニュース番組で司会役の脚本家・三谷幸喜さんが突然披露し、周囲をポカンとさせていた。偶然見ていたこちらもポカン。小学校の教員でもない中高年には、とても理解できない.
調べると、授業の始まりや友人が落ち込んでいる時、運動会で負けている際など、気持ちを切り替えたいタイミングで使うようだ。要は仲間内の連帯感を高める手法なのだろう。
その効果は表れていた。今夏のパリ五輪スケートボード女子ストリートで、当時14歳の吉沢恋選手が金、15歳の赤間凛音選手が銀メダルを獲得。19歳の中山楓奈選手も7位に食い込んだ。3人の間で「切り替えピース」がはやっており、「悪い流れがあったから、いったん(気持ちを)切り替えよう」と集まってポーズを取っていた。これが緊張感を和らげたのだろう。
ここまで書き上げ、ふとテレビ画面に目を移すと国会中継。少数与党転落で政権運営に腐心し、浮かぬ表情のわが国の宰相に声をかけてあげたい。「きーりーかえー、ピース」(健)