「みんなが主役! 絵本の世界」で取り上げられた作品がそろうコーナー=松江市浜乃木7丁目、島根県立大学松江キャンパス
「みんなが主役! 絵本の世界」で取り上げられた作品がそろうコーナー=松江市浜乃木7丁目、島根県立大学松江キャンパス

 山陰中央新報デジタルと本紙くらし面で連載する「みんなが主役! 絵本の世界」で取り上げた本を紹介する特設コーナーが、島根県立大松江キャンパス(松江市浜乃木7丁目)に設けられた。分け隔てのない「インクルーシブ社会」がテーマ。互いの違いを受け入れ、認め合う大切さを描く国内外の絵本が並ぶ。

 「みんなが主役! 絵本の世界」では、インクルーシブ社会に詳しい同大人間文化学部の水内豊和准教授(48)が、障害者への差別やジェンダー問題といった社会課題を扱った絵本の中から、毎週1冊を紹介している。

 特設コーナーは連載が始まった8月、大学内の「おはなしレストランライブラリー」に設置。紹介された作品を集め、手に取ってもらいやすくした。企画者で司書の尾崎智子さん(48)は「絵の力と短い文章で、幅広い年齢に分かりやすく伝えられるのが絵本の魅力」と話す。

 貸し出し可能で、義足をした子犬が描かれた表紙に引かれ、未就学児が義足が題材の絵本「くうちゃん いってらっしゃい」(白順社)を借りるなど、子どもたちの関心を呼ぶ。

 車いすに乗る「ろって」の活躍を描いた絵本「ろってちゃん」(福音館書店)も人気を集める。「うさこちゃん」シリーズでもおなじみのオランダの絵本作家ディック・ブルーナさんの作品で、利用者からは「いろんな子がいることを、考えさせられた」と感想が寄せられたという。

 コーナーは、コラムに載った作品のほとんどがそろう。尾崎さんは「読めば視野が広がる作品ばかり。絵本の楽しみ方も広がればうれしい」と話している。

 おはなしレストランライブラリーは木-日曜開館。

 (山口春絵)