サッカー専用では日本最大の収容人員を誇る埼玉スタジアムは、最寄りの埼玉高速鉄道浦和美園駅から約1・2キロ、徒歩15分、プロ野球広島東洋カープの本拠地・マツダスタジアムは、JR広島駅から約800メートル、徒歩10分ほどの場所にある。
ともに観客の多くは駅から続く一本道をひたすら歩く。行きは沿道に並ぶ屋台に立ち寄りながら、帰りはひいきのチームが勝てば活躍した選手に感謝し、負ければ試合の分岐点を振り返りながら。
本拠地・松江市総合体育館が改修に入るバスケットボールB1・島根スサノオマジックは来季、ホーム戦の多くを出雲市大社町のカミアリーナで戦う。車でのアクセス道は限定され、周辺の渋滞が懸念される。
車で会場そばの駐車場に乗り入れるのは便利だが、試合前後の余韻が十分に感じられず、もったいない。アリーナから北へ950メートル、徒歩12分の場所に一畑電車の浜山公園北口駅がある。ホームの規模は小さく、公園入り口までの道は路地なので大勢の観客が歩く姿はあまり想像できない。それでも公園の敷地内となる入り口からアリーナまでの約600メートルではプラスアルファを楽しめる仕掛けができる。
出雲での工夫は2026~27年シーズンに本拠地が松江へ戻った際に生かされるはずだ。周辺の空洞化が進むJR松江駅を起点に、チームカラーの青いTシャツを着たファンの列が会場へ向かう光景が見たい。(万)