一年が365日の平年では、7月2日はちょうど真ん中の日に当たる。ど真ん中だからといっても、特別なことがあるわけではない。一年の半分が過ぎ、「早いものだな」と感慨を抱くくらいか。
マラソンでいえば中間地点。快調なピッチを維持してラストスパートをかけることができるか、それとも残りの体力を振り絞って何とかゴールまでたどり着けるか。山陰両県は統計史上初めて6月に梅雨が明け、真夏が駆け足で訪れた。こうも暑いと一年の後半戦が不安になる。
「中間点」「折り返し」といえるのは始点と終点が決まっているから。「人生の折り返し」というが、捉え方はさまざま。始点は明確だが、終点は分からない。中年期ごろだと考える人もいれば、人生の転換点や再出発をイメージする人もいるのではないか。
ふと思いが広がり、人類史の中間点はいつなのだろうかと考えた。国連の2024年版世界人口推計報告書の予測によると、増加を続ける世界人口は80年代半ばに約103億人まで増えてピークを迎えた後、徐々に減少して今世紀末の2100年には約102億人になるという。この減少局面を「人類史の転換点」と捉える分析もあるようだ。
話を一年のスケールに戻すと、今年の折り返しはあす公示の参院選で始まる。事実上の「政権選択」選挙と位置付けられる。政治の転換点になるのか。関心を持って訴えに耳を傾けたい。(彦)