本連載の第17回(特別編)で、ソフトテニスのインターハイ(全国高校総体)で個人戦(ソフトテニスでは一般的にダブルスを指す)に出場する松江南の行田理佐子・野尻りむペアを取り上げた。7月29日と30日に山口県の宇部市中央公園テニスコートで行われた本番で、2人は1回戦に勝利。2回戦は惜敗だったものの、全国の予選を勝ち抜いた318ペアが出場するインターハイで初戦を突破するのは簡単なことではなく、確かな足跡を残した。

 島根県代表は他にも石見智翠館と出雲北陵のペアが個人戦に出場したが、他校のメンバー表を見渡すと、島根県出身で県外の高校に進んだ選手も何人か出場していた。今回も番外編『サイドラインの向こう側』として、そのうちの1人の女子選手を取り上げる。

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 インターハイで個人戦、団体戦とも優勝経験があり、全国屈指の強豪校として知られる三重(三重)の2年生、上口紗和は島根県邑南町出身。旧石見町、旧瑞穂町と合併して邑南町となる前の旧羽須美村はソフトテニスが盛んな地域で、父の一郎さんが指導をしていた影響で興味を持ち、...