『屋根部屋のプリンス』や『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』、最近だと『ソンジェ背負って走れ』など、ぶっ飛び設定にもかかわらず、いつの時代も私たちを魅了してきた韓ドラの鉄板ネタ「タイムスリップ」。こすられ続けてきたゆえに、展開も読めるし、切なくなっていくのはわかっているのに、やっぱり鉄板で面白くて観てしまう…!というドラマオタクも多いのでは?本記事では、今話題の『暴君のシェフ』ほか、『哲仁王后~俺がクイーン!?~』や、『烈女パク氏契約結婚伝』など最高に面白いタイムスリップ系ドラマ3選をご紹介します。
【動画】最後にキュンとするシーンも…『暴君のシェフ』予告
■『暴君のシェフ』
1話観た段階では面白そう~くらいの感じだったのに、2話で確信しました、「コレは久々にヒットするぞ」と。初回4.9%だった本国の視聴率も、2話で6.6%、3話では7.6%までグッと上がっていて、ネットでも話題なのでこれからさらにまたググッと上がりそう。韓ドラ特有の“ぶっ飛び設定”なのに、序盤からどっぷり没入させてくれるこのワクワク感、さすがは『星から来たあなた』の監督作です!
本作は、現代の天才フレンチシェフ、ヨン・ジヨン(イム・ユナ)が500年前の朝鮮王朝にタイムスリップし、「口に合わなければ極刑」と恐れられる、絶対味覚を持つ暴君イ・ホン(イ・チェミン)の厳しい舌を満足させるために奮闘するファンタジーラブコメ史劇。
ジヨンの現代っ子マインドとイ・ホンの時代錯誤な王様っぷりが、会話の中で絶妙にズレていたり、ジヨンが朝鮮時代に適応していくさまざまなカルチャーショックがコミカルに描かれていたりして、随所でクスッと笑ってしまいます。
で、面白いのが、このイ・ホンは「朝鮮王朝最悪の暴君」として歴史に名を残している朝鮮王朝第10代国王の燕山君(ヨンサングン)をモデルにしてると言われているんです。そんな彼が、本作では“美食家”としての側面や、人間味を加えた架空のキャラクターとして描かれているのもまた新鮮です。
さらに燕山君の側室で「朝鮮王朝三大悪女」の一人、チャン・ノクスがモデルになっているとされるカン・モクジュ(カン・ハンナ)が登場したりと、フュージョンながらもしっかりと史劇的側面も楽しめるようになってるのが凄いなぁと。現代から来たジヨンと共に、「うわ!あの悪女か…!」と歴史の中に入り込んだ感覚になれるのが面白いんですよね。すでに歴史を知っているジヨンが、これから先回りして悪事を止めたりする展開も来そうで、今後が楽しみです。
道具も何もない中で、現代の調理法を駆使して宮廷料理に革命を起こしたり(空腹注意)、宮廷の権力争いや陰謀が物語にスリルをプラスしていたりと、いろんなスパイスが入っていて、ラストまで飽きずに駆け抜けられそう。
そしてキャストですよ。ユナの強強女子っぷりが最高オブ最高でして…。「マジで朝鮮時代!? ファンタジー小説じゃねーんだから!」ってパニックになっても、サクッと切り替えるポジティブさ、これ韓ドラオタが大好きなヒロイン像ですよね…?ユナの生き生きした演技で、ジヨンの現代っ子らしいサバサバ感がバッチリ出てて、笑いと共感を誘います。
また、ホンが一見コワモテの暴君ながらも、ジヨンの料理に心揺さぶられたり、意外と子どもっぽい一面を見せたりするそのギャップが沼すぎやしませんか…??ジヨンが料理を説明する際、オートキュイジーヌのことを「オットカジ…?(韓国語でどうしようの意味)」と言ったり、所々ボケ散らかしてるのも愛おしい…!これはイ・チェミンの大ブレイク作になるのでは…?
笑ってキュンとして沼ってお腹が空いてくる、王道ラブコメ求む!な人に、今超絶おすすめしたい一作です。
▼配信情報
Netflixシリーズ『暴君のシェフ』独占配信中
■『哲仁王后~俺がクイーン!?~』
そんな『暴君のシェフ』から連想されるタイムスリップドラマといえば本作でしょう!”チャラ男”が憑依したぶっ飛びヒロインの姿が多くの視聴者の爆笑をさらい、最高視聴率17.4%を記録した大ヒットドラマ『哲仁王后~俺がクイーン!?~』です。
本作は、予期せぬ事故で現代のシェフの男の魂が、朝鮮時代の王妃の体に入り込んだことから巻き起こる、“魂入れ替わり”のラブコメ史劇。タイムスリップや男女入れ替わりは韓ドラあるあるネタですが、本作は1話目から様子がおかしいんです。(笑)
オレ様イケイケキャラのボンファンの魂が入り込んだ王妃ソヨン(シン・ヘソン)。その優雅な容姿からは想像もできないような完全に“おじさん”の言葉遣いと振る舞いに、1話から爆笑の嵐で、ガッツリ心つかまれます。
さらにロマンス史劇のごとくキラキラと登場した王様哲宗(チョルジョン)は、まさかの19禁の本を読んでいるという。(爆笑)ソヨンが夫である王を通り越して、まさかの側室を口説き始めたり、現代に帰ろうと奇行を繰り返すなど、礼儀や権力構造を無視して自由に暴れまくる姿には、腹筋があわや割れるかと思うほど爆笑してしまいました。
ですが徐々に王妃ソヨンが抱える痛みや、それぞれの思惑などが見えてきて、単なるコメディで終わらないのも本作のポイント。後半は勢力争いを交えた緊張感あふれる展開も織り込まれ、切ない展開に思わず涙してしまう場面も。史劇のドロドロ、コメディ、ロマンスのバランスが絶妙なので、史劇苦手さんにも超絶おすすめしたい一作です。
ぶっ飛び設定でも、思わず感情移入してしまうのは、俳優陣の高い演技力があってこそ。キム・ジョンヒョンが『愛の不時着』とはまた違った魅力を見せていて、基本すっとぼけているのに、民を大事にする君主というギャップと、時折見せる優しい笑顔が沼すぎて…!
そして兎にも角にも本作の最大の見どころは、「シン・ヘソンのワンマンショー」とも言われるほど、“中身が男”という前代未聞の王后役をリアルかつキュートに演じ、多くの視聴者を魅了したシン・ヘソンの神演技!振り切った“おじさん演技”に爆笑しつつも、圧巻の演技力に感嘆させられてしまうはず…!きっと彼女のファンになってしまう事間違いなしです!
ガサツな王后ソヨンと、シリアスなのにどこかユーモラスな王・哲宗、男(魂)×男が織り成す、全く予測のつかない“ノータッチ夫婦”のロマンス?ブロマンス?の行方は必見です。
▼配信情報
『哲仁王后~俺がクイーン!?~』Hulu、U-NEXT、Netflixなどで配信中
■『烈女パク氏契約結婚伝』
『王になった男』しかり、『赤い袖先』しかり、イ・セヨン主演の史劇にはハズレがないと、個人的に絶大な信頼があるのですが、やはりです。今作も最高に面白い…!!
先述した2作品は現代から朝鮮時代にタイムスリップするのに比べて、今作は“朝鮮時代から現代へ”ヒロインヨヌ(イ・セヨン)がタイムスリップして、さらには亡き夫にそっくりの御曹司テハ(ペ・イニョク)と契約結婚までしてしまうというぶっ飛びストーリー!(笑)始まりは史劇ではありますが、ほぼほぼ舞台は現代なので、史劇が苦手な方でも楽しめる一作です。
お掃除ロボットに大興奮したり、チョコに激ハマりして爆買いしたり、テレビで放送中の史劇に本気で語りかけたり(笑)と、現代社会へのヨヌの反応が面白すぎて、序盤から笑いが止まりません。
朝鮮時代でのヨヌとテハの悲劇的な縁が、2023年の契約結婚を通じて再びひもとかれていくのですが、過去に絡みがあった黒幕が現代でもまた黒幕だったりと、過去の因縁が現代にガッチリ絡む展開なのが斬新で面白いんです。
さらにヨヌの韓服デザインの才能が物語の鍵になっていて、現代ではそれを武器にデザイナーとして自らの道を切り開いていきます。好きなことでキラキラ輝いていく、女性の自立が描かれているのも深いところです。
そしてなんといっても御曹司テハのクールな外見と、だんだんヨヌに心を開いていく内面のギャップが、ツンデレ好きには刺さりまくるはず!後半は、テハのクールな仮面が剥がれて、ヨヌへの超絶激甘な愛情表現に、激萌え必至です!
▼配信情報
『烈女パク氏契約結婚伝』U-NEXTにて独占配信中
(文:DramaWriter Nana)
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