10月に入り朝晩はめっきり涼しくなったが、日中は30度近くまで気温が上がる日もあり、寒暖差が激しい。急な気温の変化に自律神経が適応できず、頭痛や目まい、肩凝りなどの体調不良を起こす人も多いという。「気象病」と呼ばれる症状である。
寒暖差を理由に“夫婦げんか注意報”なる気象情報が発表されたことがあるそうだ。18年前に日本気象協会北海道支社が、短時間に気温が急上昇し、体調不良や気分が落ち着かないなどの気象病が起こる可能性があるとして「車の運転や、夫婦げんかに注意を」と呼びかけた。
<夫婦げんかは犬も食わぬ>ということわざがあるように、けんかの原因はささいなことですぐに仲直りするものだが、<触らぬ神にたたりなし>ともいう。いらいらしやすいと事前に分かっていれば、相手と距離を置くなど対処法もある。
政治を巡る寒暖差はもっと深刻だ。5人の争いとなった自民党総裁選は高市早苗前経済安全保障担当相が当選を果たした。ただ党関係者の熱気とは裏腹に、「誰がやっても変わらない」と政治に距離を置く国民の冷めた声が聞こえてくる。
衆参両院で少数与党ながら野党が首相指名選挙の対応を一本化できそうになく、新総裁が首相に就く公算が大きい。国民の政治へのいらだちと不満を抑えるには、「政治とカネ」の問題にけじめをつけ、有効な物価高対策を打ち出すしか処方箋はないだろう。(健)













