ドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミング 永遠の音色』上映後トークイベントに登壇した(左から)菅野美穂、小松壮一郎監督 (C)ORICON NewS inc.
ドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミング 永遠の音色』上映後トークイベントに登壇した(左から)菅野美穂、小松壮一郎監督 (C)ORICON NewS inc.

 俳優の菅野美穂(48)が7日、都内で行われた映画『フジコ・ヘミング 永遠の音色』(24日全国公開)公開前舞台あいさつに登壇した。

【全身ショット】首元のレースが素敵!クラシカルな衣装で登場した菅野美穂

 黒のクラシカルなワンピースで登壇した菅野は、小松莊一良監督とともに登壇。菅野は、2003年に放映されたスペシャルドラマ『フジ子・ヘミングの軌跡』でフジコさん役を熱演。プライベートでも親交があった菅野が、本作ではナレーションを担当した。本作を観て改めて「やさしい柔らかい音色」だと感じたと語り、「少女のようであり、気難しさもり、掴みどころも内容で、バッサリとしたところもあって、相反することをご自身の中で受け止めているからこそ玉虫色のような音色なのかなと思います」とフジコさんの人柄にも思いをはせた。

 小松監督は、2018年劇場公開した映画『フジコ・ヘミングの時間』を含む長期にわたり、世界各地を駆け巡るフジコさんに寄り添い、その素顔を撮り続けてきた。時に、カメラを降ろし、二人で語りあかした夜もあったという。そんな監督が、「菅野さんのお話もたくさん聞いて、喜んでらして」と明かし、菅野は「本当ですか…!」と感無量の表情を見せる一幕も。

 菅野はフジコさんとの出会いを振り返り、「数少ない機会ではあったんですけど、ベルリンのフジコさんの自宅にお邪魔して。絵本の中のお家みたいで緑に囲まれていて、猫がいて、本当に少ない人が近くにいて…」と回顧。「そんな中でお会いできて、ドラマの撮影中にお会いできて、エネルギーをいただいて、撮影に前向きに向かう糧になりました」としみじみと語った。

 また菅野は、そのときのフジコさんは「『まあいいわよ』って」と少しそっけない様子だったと話したが、小松監督が「僕が下北沢のお家にいったときに、菅野さんからいただいた灰皿を見せていましたよ。それは使わないで、使うのは小さい灰皿なんですけど」と菅野からの贈り物を大切にしていたことを明かし、フジコさんの照れ隠しだったというかわいらしい一面に菅野は笑顔を見せていた。

 本作は、情感あふれる演奏で国内外多くの人の心をとらえ、“魂のピアニスト”と呼ばれて世界で活躍し、24年4月21日に旅立ったピアニストのフジコ・ヘミングさんを、生前12年間追い続け素顔に迫り、美しい音色が刻まれた最後のドキュメンタリー映画。さまざまな困難を乗り越え60代で人気ピアニストになった波乱万丈な人生から生まれた、心揺さぶる唯一無二の演奏が映画館のスクリーンで体感できる。

 また、初公開されるフジコさんのインタビュー映像・絵日記、本作で存在が明らかになる異母妹エヴァさんにストックホルムで実施したインタビュー映像、俳優の弟ウルフさんが語る新たな真実など、知られざるフジコさんの素顔に迫る。