「※△×#○ですか?」「はあ?」。マーケットやコンビニなどで、店員さんが言っていることを聞き取れないことが増えた。新型コロナウイルス感染防止で透明シートがレジを覆い、店員さんもマスクをしているため、余計に聞き取りにくい▼行きつけの店だとまだいい。たいてい最初に声を掛けられるのは「(マイ)バッグお持ちですか」だし、「○円です」が聞き取れなくても合計金額は数字が見えるようになっている。問題は初めて入る店、特になじみのない種類の店だと想像力がついていかない▼以前、ピザ屋に入ったときは往生した。買い慣れないピザの種類を何にするのかが決まらない。その間、店員さんは「まだ決まらないのか」という表情。ようやくピザの大きさと種類を決め、注文すると「×$※*はどうしますか」。聞き取れない。ピザの厚さも決めなければならなかったのだ▼同級生の耳鼻咽喉科医に聞いてみた。言葉が聞き取りにくくなるのは加齢性難聴が進んでいるからだという。年を取るにつれ、内耳のカタツムリ管の有毛細胞が衰える。高い周波数から聞こえにくくなり、子音が聞き取れなくなると。回復方法は「ない」とつれない▼補聴器を着けるまでではない場合、ゆっくり、目を見て話してもらうといいらしい。店員さんにお願いです。高齢者には早口は厳禁。ゆっくり大きな声で対応していただくと喜びます。(富)