米大リーグがシーズン終盤戦に突入し、エンゼルスの大谷翔平選手から、いよいよ目が離せなくなってきた。2桁勝利とホームランキングに期待が高まる中、記者投票で決まるMVPの獲得はもう確実なようだ。「選ばれるかどうかは、もはや問題ではない。満票を集めるかどうかだ」と現地メディアは伝える▼こちらは反対に、例年ならば全会一致で決まるのに意見が割れて採決までもつれ込んだ。コロナ禍での引き上げが焦点となった島根県の最低賃金地方審議会である。最終的に32円アップの時給824円で決着した▼その前段で、中央審議会が決した引き上げ目安は全国一律の28円だった。これを受けて審議のマウンドに上がった経営者委員はいきなりランナーを背負って始める、いわばタイブレーク状態。さすがにゼロ封は難しいかもと覚悟したに違いない▼コロナ禍にあえぐ中小・零細企業の思いを背に粘りを見せたが、引き上げを主張する労働者側の猛打に押し込まれる展開に。終わってみれば、上げ幅は過去最大にして全国最大となった▼10月2日からの適用まで1カ月となった段階で、引き上げを持論とする菅義偉首相が退陣を表明した。アベノミクスから続く大幅な引き上げは、果たして都市部との格差解消や地方経済の活性化につながっているのだろうか、ここは立ち止まって考えたい。迫る衆院選の投票の行方にも関わってくる。(史)