すばる、カペラとその周辺=2020年9月21日、大田市の三瓶山国引(くにび)きの丘(おか)で撮影(さつえい)
すばる、カペラとその周辺=2020年9月21日、大田市の三瓶山国引(くにび)きの丘(おか)で撮影(さつえい)

今ごろ 早い時間から見える

 今ごろの午後7時、東の空の低いところに何かかたまりのようなものが見えます。それはプレアデス星団(せいだん)という星の集まりで、日本では昔から「すばる」と呼(よ)ばれていました。すばるの左側、北東の低いところにはたいへん明るい星も出ていて、こちらはカペラといいます。

 すばると聞けば、自動車のメーカーを思い浮かべる人もいることでしょう。また、20年ぐらい前まではカペラという車があったのも、周りの大人なら知っているかもしれません。

 さて、太陽や月と同じように、星も東の方から昇(のぼ)ってきます。仲良く横に並(なら)んで見えるすばるとカペラは、時間が経(た)つにつれ高くなり、続いて地平線からは別の星が出てきます。午後8時には、すばるの下に大きなヒヤデス星団が現(あらわ)れます。すばると同じで、おうし座(ざ)にある星の集まりです。

 同時にカペラとその下に出た星で、ぎょしゃ座という五角形の星座もたどれるようになります。馭者(ぎょしゃ)とは馬車の運転手のことです。昔の中国ではぎょしゃ座は「五車(ごしゃ)」と呼ばれ、5台の馬車を意味していました。やはり車に関係が深いようです。

 さらに時間が経つと姿(すがた)を見せるのは、ぎょしゃ座の下のふたご座と、ヒヤデス星団の下のオリオン座。その後、夜中には、こいぬ座、おおいぬ座も続きます。これらは明るい星があってよく目立つ星座たちです。すばるとカペラはまるで、きらびやかな冬の星座を先頭で引っ張(ぱ)る車のようです。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)