バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)西地区の島根スサノオマジックが初のチャンピオンシップ(CS)進出を決めた。今の強さは近年の補強による部分が大きいが、チーム創設当時の関係者の努力があってこそなのは、言うまでもない▼本紙でも紹介した『スサノオマジック誕生物語』では、本の著者であり、前身のbjリーグ参入で中心的な役割を果たした藤井三千勇さんの回顧が記されている▼その中にbjリーグ参入前、サッカーJリーグ浦和レッズのクラブハウスや練習場を視察し、チームの盛り上げやまちづくりについて関係者に尋ねた話があった▼当時、藤井さんらに取材した際のメモを読むと「群れて楽しむ」「みんなでつくる応援」「非日常空間」などの単語に星印を付けていた。話を聞いた時は、松江にそのようなプロスポーツを楽しむ機会が訪れるのか半信半疑だった。己の不明を恥じ入るしかない▼レギュラーシーズンも魅力的だが、バスケットボールになじみが薄い人にも訴求力があるのは、日本一が懸かったCSの場だ。コロナの感染状況が気掛かりではあるが、レッズのようにとはいかないまでも、ファンが会場内外で盛り上がる姿を見たいし、できれば参加したい。これも地方創生への大きな一歩。そのためにも進出8チームのうち4チームに与えられる初戦のホーム開催権の獲得へ、いま一度の奮起を期待したい。(万)