小学4年の息子がいる知人が嘆いていた。「将来、何になりたいのと聞くと、返事はいつもユーチューバー。それで生活できるのはほんの一握りなのに」。同様な会話をしている家庭は意外に多いのではないか▼ランドセル素材の人工皮革を製造販売するクラレ(東京)が、全国の新小学1年生4千人を対象とした「将来就きたい職業」の調査結果をまとめた。動画投稿で広告収入を稼ぐユーチューバーは、6年前に男の子の54位で初登場後、急激に順位を上げ、昨年は7位、今年は過去最高の6位に入った。スマートフォンの普及でまだまだ上昇しそうだ▼調査には男の子の親が「就かせたい職業」もある。トップ3は公務員、会社員、医師。特に公務員は13年連続で1位という。冒頭の知人に尋ねると「進学校に入って、しっかりした職業に就いてほしい」。親としては安定を願うのが当然だろう。「親の心、子知らず」か、「子の心、親知らず」か▼ユーチューバーに公務員。対照的な職業に思えるものの、役所に勤務しつつ自治体情報を発信する「公務員ユーチューバー」も存在する。とはいえ、それが親子の妥協点になるとは到底思えない▼きょうは「こどもの日」。親子で子どもの将来を語り合う機会にしてもいいだろう。きょうの3面「論説」は、こどもの日に合わせ、いつもより平易な言葉で記事を書いている。お子さんと一緒に一読を。(健)