こと座のベガ=三瓶自然館サヒメルの天文台で撮(さつ)影(えい)
こと座のベガ=三瓶自然館サヒメルの天文台で撮(さつ)影(えい)

明るく毎晩現れる

 こと座(ざ)のベガは、夜空を見上げればすぐに目に付くほどの明るさで白く輝(かがや)いています。今は低いところに出ている木星(もくせい)の方が明るいのですが、時期によっては星空の中でベガが一番目立つということもあります。

 今年は8月25日が、昔のカレンダーである旧(きゅう)暦(れき)では7月7日、七夕(たなばた)です。ベガは七夕の物語の織(お)り姫(ひめ)にあたります。天(あま)の川(がわ)をはさんだ向かい側にある、わし座のアルタイルが彦星(ひこぼし)ですが、ベガはそれに比(くら)べてもずっと明るく光っています。そして、ベガは明るいだけではなく、日本からは特別な見え方をする星です。

 まずベガが特別なのは、頭のほぼ真上を通ることです。夏から秋に空の一番高いところで輝く様子は、星の女王といったおもむきです。山(さん)陰(いん)地方では、ベガが真上にやってくるのは、25日の旧暦の七夕の日だと午後8時半ごろ、9月初めだと8時ごろ、9月半ばなら7時ごろとなります。

 また、ベガは毎晩(まいばん)見られるという点でも特別です。北(ほっ)極(きょく)星(せい)のようにいつでも夜空に出ているわけではありませんが、一年を通して夜のどこかの時間に必ず姿(すがた)を現(あらわ)します。

 秋が深まってくると、夜のはじめごろには真上よりも西寄(よ)りの空に見えるようになります。12月後半から1月前半は夕(ゆう)暮(ぐ)れの後、北西の空に見えていて、やがて沈(しず)んでいきますが、夜明け近くになるとまた北東の地平線から昇(のぼ)ってきます。この期間は見られる時間帯が一晩に2回あるのです。冬の終わりから春にかけては、明け方か真夜中、東から真上あたりに見られます。

 明るく、時には頭上で光り、一年中見える星。ベガは日本でよく見える星の代表といえるかもしれませんね。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)