体育の授業や集会でおなじみの「体育座り」を苦痛に感じる子どもがいることを受け、山陰中央新報社が5月下旬、島根県内の全小中学校計295校に実施したアンケートで、8割が体育座りを取り入れており、7割近くの学校が見直しに前向きであることが分かった。今後、座り方が変わる学校が出てきそうだ。 (増田枝里子)

 アンケートは県内の小学校200校(義務教育学校3校含む)、中学校95校に郵送し、計106校の回答を得た。回収率35・9%。

 体育座りを導入する学校は80・2%に上り、「全校・学年集会」「椅子がない教室や校庭、体育館での授業」が大半を占めた。

 理由(複数回答)は「昔からしている」が46・7%で最多。「統一したほうが指導しやすい」44・4%、「集中して話や授業を聞ける」36・7%が続いた。

 中でも小学校は98・3%と、ほぼ全校が取り入れていた。中学校は57・4%と6割未満だったが「強制しなくても、生徒自ら体育座りをする」との回答が多く、小学校での指導が浸透しているとみられる。

 取り入れていない18・9%の学校は、椅子を用意するなどして対応。「集中して話を聞けるのであれば、場や個人の特性に応じた座り方でよい」と自由な座り方を認める学校もあり、児童生徒はあぐらや正座、横座りをするという。

 地域別では、益田教育事務所管内(回答11校)と隠岐教育事務所管内(同6校)で100%▽出雲教育事務所管内(同35校)で85・7%▽浜田教育事務所管内(同38校)73・7%▽松江教育事務所管内(同16校)50・0%―と、わずかに地域差がみられた。

 体育座りの姿勢が体に悪影響を及ぼす可能性などを踏まえ、見直す予定を聞いたところ、「ある」が4・7%、「検討する」64・2%、「ない」29・2%。「ある」か「検討する」と答えた小学校は69・5%、中学校は68・1%だった。

 ただ、「文部科学省や県教育委員会の指示があれば対応する」との声も多く、主体的な対応には二の足を踏む傾向がうかがえた。

 大東文化大文学部の一盛真教授(58)=教育学、鳥取市在住=は「指導しやすいなどの理由は教員側の論理で、子どもの身体的な発達や人権の観点が欠落している」と指摘。「学校の習慣や文化は、やる意味と理由を重視し、実態にそぐわなければ変える柔軟性が必要だ」と求めた。