8日に珍しい二つの食
三瓶自然館でネット中継
月や星など天体についての話の中で、食(しょく)という言葉が出てきたら、それはある天体が別の天体に覆(おお)い隠(かく)されるという意味です。太陽が月に隠される現象(げんしょう)は日食(にっしょく)といいますし、月が地球の影(かげ)に隠されるのは月食(げっしょく)です。
【ライブ配信 11月8日午後6時~】皆既月食 442年ぶりの惑星食との共演
11月8日には月食が起こります。午後6時9分、東の空で太陽の光を受けて輝(かがや)いている満月(まんげつ)が、地球の影に入って欠け始めます。7時16分には月が影に完全に覆われ、皆既(かいき)月食と呼(よ)ばれる状態(じょうたい)になります。このとき月は、地球の空気で屈折(くっせつ)した太陽の光にわずかに照らされ、赤黒く見えます。皆既月食は8時42分まで続き、その後、月は影から抜(ぬ)け始めて、9時49分に月食が終わります。
さて、たいへん珍(めずら)しいことに、今回の月食では、同時に別の食が起こります。惑星(わくせい)の一つ、天王星(てんのうせい)が月に隠される天王星食です。松江(まつえ)では8時28分ごろ、天王星が皆既月食中の月に隠され、9時22分ごろに6割(わり)ほどの輝きが戻(もど)った月の後ろから再(ふたた)び姿(すがた)を現(あらわ)します。天王星食の進行は山陰(さんいん)地方のどこで見るかによって、数分の違(ちが)いがあります。
ただし、天王星は肉眼(にくがん)ではほとんど見えないほど暗いため、観察には望遠鏡が必要です。そこで、三瓶(さんべ)自然館サヒメルの望遠鏡で見た様子をインターネットで中継(ちゅうけい)します。日本公開天文台協会のホームページには、日本各地からの中継の情報(じょうほう)も出ていますので、注目してください。なにしろ、次の皆既月食中の惑星食は、日本では2344年の土星(どせい)食(しょく)まで見られませんので。
◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)