10月5~9日午後7時の月の位置=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成
10月5~9日午後7時の月の位置=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図(せいず)を元に作成

眺めが見事な5日と8日

 月と星が並(なら)んでいるところを見たことがありますか。月は明るく、周りの星の光をかき消してしまいますので、ある程度(ていど)明るい星でないと、月と隣(とな)り合って光るところを見ることができません。

 運よく月と明るい星が並ぶ様子を見ることができ、また別の日に月を見たときには、その明るい星がもう近くにはなかったという経験(けいけん)をした人もいるかもしれません。いく晩(ばん)か続けて同じ時刻(じこく)に夜空を見ると、星の位置はあまり変わりませんが、月が見える位置は日に日に変わります。月は星に対して、どんどん動いていくのです。

 さて、近ごろよく見えている星は、木星(もくせい)と土星(どせい)です。午後7時ごろですと、木星が東南東の空に圧倒的(あっとうてき)な明るさで輝(かがや)いていて、土星も南南東に明るく見えています。これらの惑星(わくせい)も、星座(せいざ)を作っている星に対しては少しずつ動いていきますが、数日では位置はほとんど変わりません。

 この土星と木星に対して、月が動き、それぞれと近づくところを見てみましょう。まず、今夜5日には、半月(はんげつ)より少し太った月が土星と並びます。翌日(よくじつ)の6日になると、月は土星から少し離(はな)れ、東側に出ている木星に近づいていきます。7日はさらに東に動き、8日には十三夜(じゅうさんや)と呼(よ)ばれる満月(まんげつ)にわずかに足りない月が、木星に最も近づきます。

 月の見える位置の変化は、決まった星を目当てにすれば、本当によく分かります。見事な眺(なが)めになるはずの5日と8日だけでなく、その間の夜も動きを追ってみてください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)