カシオペヤ座とアンドロメダ座=9月30日、出雲(いずも)市知井宮(ちいみや)町で撮影(さつえい)
カシオペヤ座とアンドロメダ座=9月30日、出雲(いずも)市知井宮(ちいみや)町で撮影(さつえい)

秋の夜空にお姫様描いた星座

 アンドロメダという言葉を聞いたことがありますか。それはギリシャ神話の登場人物の名前です。お話によればある国の美しいお姫様(ひめさま)で、紆余曲折(うよきょくせつ)の末、勇者と結婚(けっこん)して別の国のおきさき様になりました。

 秋の夜空には、そのお姫様を描(えが)いた星座(せいざ)があり、名前の通りアンドロメダ座と呼(よ)ばれています。また、彼女(かのじょ)の母親もすぐそばで星座になっていて、それはカシオペヤ座という形の分かりやすい星座です。カシオペヤ座をアルファベットのWに見立てたとき、そのWの字の下側にアンドロメダ座があります。

 アルフェラッツ、ミラク、アルマクという少し明るい三つの星を中心とした星座で、今の時季の夜のはじめごろなら東の空高くに見えています。

 アンドロメダ座には、星座の名を取ったアンドロメダ銀河(ぎんが)という天体があります。銀河とは、遠くにある星の大集団(しゅうだん)です。アンドロメダ銀河の場合、ざっと1兆(ちょう)個(こ)の星が集まっています。しかし、光の速さで250万年かかる距離(きょり)にあるため、望遠鏡(ぼうえんきょう)で見ても一つ一つの星は見分けられず、全体として雲のように見えます。

 マンガやアニメなどにも登場する天体ですから、もしかしたらアンドロメダ座は知らなくても、アンドロメダ銀河なら知っているという人が多いかもしれません。そんな有名な天体のイメージもあり、アンドロメダというのは宇宙(うちゅう)を感じさせる名前のようで、曲のタイトルや船の名前など、いろいろなところで目にします。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)