年末年始、ついつい食べ過ぎて「太ったかしら」と悩む人も多いのでは。正月明けの食事で気を付ける点を、山陰中央新報文化センター講師で、管理栄養士の佐々木久美さん(57)に聞いた。 (坂上晴香)
そもそも年末から年明けに増えた体重は水分によるむくみである可能性が高い。1週間程度で体脂肪が急激に増加することは考えにくいという。おせち料理は日持ちさせるために塩分が高い料理が多く、雑煮の餅や菓子に含まれる糖質も水分をため込みやすい。
エネルギー源となる糖質は、過剰分は肝臓などにグリコーゲンとして吸収される。そのとき水分と結び付く性質を持っているため、むくみにつながる。水分によるむくみ解消にはナトリウムを排せつさせるカリウムをとると良い。
冬の野菜ではダイコンやカブ、ホウレンソウなどがあるが、どの野菜や果物もカリウムは入っている。
年末年始は野菜を食べる機会が少なく、ジャンクフードなど腸内環境に悪影響を及ぼす食べ物をとりがちであるため、お通じが悪くなることも「太った」と感じやすい理由の一つ。暴飲暴食で酷使した胃腸を休ませることも大事だ。
食物繊維やオリゴ糖を含む食事で腸内環境を良くし、消化に良いとされる七草がゆに似たものを7日以外でも食べるよう意識する。
食べる順番も改善策の一つ。糖質から先に食べると血糖値が急に上がり脂肪として取り込みやすくなる。先に食物繊維が多く含むものから食べて、糖質の吸収を緩やかにすると良い。飲酒の機会も多いが、おつまみは枝豆やチーズなど脂質よりもタンパク質が多いものがお薦めという。
佐々木さんは「年末年始は夜更かしや起きる時間が遅くなり生活リズムが狂うことが多い。食事だけでなく生活リズムから整えて」と呼びかける。
胃の粘膜を保護し、野菜の中でも消化しやすいとされるキャベツを使った簡単なレシピを紹介する。
【キャベツとしらすのレンチン蒸し】
<材料(3~4人分)>
・キャベツ150グラム、しらす干し40グラム、ピーマン(赤・緑)40グラム、ごま油大さじ1
(1)キャベツは3センチ長さの短冊切り、硬い茎の部分は火が通りやすいように細切りにする。
(2)ピーマン(赤・緑)は種を除き、千切りにする。
(3)耐熱皿に(1)のキャベツを平たくなるようのせ、上からしらす干しを散らす。次に(2)のピーマンをのせ、ごま油を全体に回しかける。
(4)皿の上からふんわりラップをかけ、600ワットで4分程度加熱する。
(5)好みで白ごまやノリを散らしてもおいしい。
キャベツは好みの硬さになるように加熱時間は調節する。4分だとシャキシャキ感が多少残る。しらすのうま味があるので、味付けなしでもおいしいが、加熱前にお好みで塩をひとつまみ、または顆粒(かりゅう)の中華だし小さじ4分の1をふっても良い。