挿絵・麦倉うさぎ
挿絵・麦倉うさぎ
挿絵・麦倉うさぎ

 その道中のマ陽気なこと

常連は暖簾くぐって午前さま (浜田)勝田  艶

お互いに趣味は連歌の二人連れ(松江)米村 光生

カルガモは園児の列を従えて (松江)高木 酔子

交番がてこずっている酔っ払い(浜田)三隅  彰

県境を越えてないからヨシとする

              (松江)山〓(崎の大が立の下の横棒なし)まるむ

強豪にサヨナラ勝ちのバスの中(出雲)飯塚猫の子

あっち寄りこっち寄りして極楽へ

              (出雲)岡  佳子

バタデンは園児を乗せてひた走り

              (出雲)野村たまえ

先導はブラスバンドの晴れ舞台(益田)石田 三章

研修という名のついたバス旅行(松江)田中 堂太

堀川を巡る舟から安来節   (松江)持田 高行

断捨離も済ませ気ままな老いの坂

              (江津)服部 杏子

姥捨山(うばすてやま)とはつゆ知らず子に負われ

              (出雲)岩本ひろこ

ガラケーがスマホに替る若返り(安来)木村 修平

なにもかも放(ほ)って出かける伊勢参り

              (松江)加茂 京子

感染の経路ははっきりしています

              (松江)岩田 正之

バッチリと動画で残る旅の恥 (江津)花田 美昭

きび団子ほしいほしいとお供増え

              (浜田)米谷 昌子

シルバーの貸し切りバスはよく止まり

              (松江)桃屋  壽

陳情のあとは与野党肩を組み (益田)石川アキオ

立ちションを平気でやれる年となり

              (雲南)福場 仁一

生き切ったこの命サア次行こか(松江)佐々木滋子

ちぎれそうなくらいにしっぽ振っちゃって

              (浜田)酒井 由美

行った先思い出せないバスの旅

           (沖縄・石垣)多胡 克己

  ◇

 修平さんの句、もとは、「…スマホに替り若返る」だったのですが、それでは事実をそのまま説明したに過ぎません。「り」と「る」を入れ替えるだけで、表現に深みが出るように思います。

 お気を悪くなさいませぬよう。私の言い分にも一理あるとお認めいただければ、それで長足の進歩です。

 壽さんの句は、ウ~ン、うまい! 「よく止まる」わけはもちろん、お分かりですよね。でも、それを言ってしまえば、分かりやすくはなるけれど、句としてはつまらない。ウソだと思ったら、お試しのほど。名作を駄作に「添削」するということも、それはそれで、なかなか勉強になるものです。

 そうですね、今回はこの「添削」もあわせて募集いたしましょう。奮ってご応募ください。いちばん上手にヘタな句を詠んだ人が入選します。

  ◇

 さて、来月の第2木曜は、レッツ連歌第650回! 本来ならホテルを借り切って大パーティーと行きたいところですが、今はそれもかないません。その代わり、コロナが収束したあかつきには、この楽しみを倍にして返していただきましょう。

 その650回の前句―。NHKラジオの人気番組から、

  子ども科学電話相談

 毎週日曜日の午前に放送されています。

 字足らずであることは承知しております。でも、なぜかリズムがすごくよい。で、あえて実験的に選んでみました。みなさんのご意見をお寄せください。

付句は五七五です。

  ◇

 それから、このコーナーのすぐ右の記事もお見逃しなく。「さんいんユーモア連歌大賞」の募集が、いつもより早めに始まりました。こちらは、ゆっくり時間をかけて、お考えください。

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 ちょっとおしゃべりが過ぎましたか。

 (島根大名誉教授)

 =第2、第4木曜掲載=

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 ▽投句案内 宛先は〒690-8668松江市殿町383、山陰中央新報社編集局「レッツ連歌」係。はがき1枚につき3句まで。住所、氏名、年齢を明記してください。ペンネームでの掲載をご希望の場合は、その旨お書き添えください。締め切りは20日、当日消印有効。