山海が製造する乾燥卵製品。手前中央の乾燥錦糸卵は市場シェア9割を誇る
山海が製造する乾燥卵製品。手前中央の乾燥錦糸卵は市場シェア9割を誇る

 山海(松江市八幡町)が1996年に製造を始めた家庭用乾燥錦糸卵は国内市場でシェア9割を誇る。取引する3社のうち、キユーピーでは「玉九 錦糸たまご」として販売されており、年間200万食分を出荷。鮮やかな黄色にふんわりと優しい甘さが特徴だ。

 マイクロ波加工と呼ばれる、電子レンジの加熱と同じ手法で製造。2・45ギガヘルツの電磁波を利用して加熱することで、原料中の水分が蒸気に変わって乾燥する。加熱時間が短いため、変色を避け、やわらかい食感を保てる。マイクロ波加工の機械を30年以上、自社設計・性能更新し、技術向上を続けていることも高いシェアを維持する秘訣(ひけつ)だ。

 カップ麺やスープに浮かぶ卵具材も生産し、移り変わりが早いカップ麺市場で、年間数百の新商品のうち約3分の1~4分の1に同社の乾燥卵が使われている。

  【4月13日号掲載】