来年のNHK大(たい)河(が)ドラマは、紫式部(むらさきしきぶ)という女性(じょせい)が活躍(かつやく)する平安時代が舞台(ぶたい)だそうです。
平安時代は、今から約千年前。人々はどんな暮(く)らしをしていたのでしょうか。
『平安女子の楽しい!生活』(川村(かわむら)裕子(ゆうこ)・著(ちょ)、岩波(いわなみ)書店)は、平安時代に生きる女子のライフスタイルを今風の言葉で説明しています。「恋(こい)のアプローチ方法」「美人の条件(じょうけん)」「人間関係がうまくいくサバイバル術(じゅつ)」などがあり、気になるエピソードから読んでみてください。
さらに、女子だけでなく平安男子のことも知りたくなったら、同じ著者の『平安男子の元気な!生活』(川村裕子・著、岩波書店)があります。仕事や儀式(ぎしき)、祭り、恋に大忙(おおいそが)しな毎日が書かれています。
千年前も、恋や人間関係に悩(なや)む様子は、現代(げんだい)の私(わたし)たちと同じでした。先輩(せんぱい)たちの体験談から、役に立つヒントが見つかるかもしれません。
紫式部は、ベストセラー小説『源氏物語(げんじものがたり)』を書いた有名な作家でした。平安時代に書かれた物語は、今も読むことができます。
『(萌(も)えすぎて)絶対忘(ぜったいわす)れない! 妄想(もうそう)古文』(三宅(みやけ)香帆(かほ)・著、河出書房新社(かわでしょぼうしんしゃ))は、「分かりづらい古文も推(お)しカップリングを見つければ、もっと面白く読むことができる」と、古文を楽しむ方法を語っています。
『源氏物語』はもちろん、平安時代のエッセイ『枕草子(まくらのそうし)』、恋愛短編集(れんあいたんぺんしゅう)『伊勢(いせ)物語』など、たくさんの作品が「推しカップリング」という視点(してん)で紹介(しょうかい)されています。
その中から特におすすめしたい物語は、「コメディ色が強い、平安の庶民派(しょみんは)シンデレラ」と紹介されている『落窪(おちくぼ)物語』です。
継母(けいぼ)にいじめられ、床(ゆか)の落ちくぼんだ部屋に閉(と)じ込(こ)められていた姫君(ひめぎみ)が、貴族(きぞく)の若君(わかぎみ)に助けられ幸せになるお話です。この物語の魅力(みりょく)は、二人の幸せのために奮闘(ふんとう)する侍女(じじょ)と姫君の関係です。
現(げん)代(だい)語で読める本は、『少年少女古典文学館3 落窪物語』(氷室(ひむろ)冴子(さえこ)・著、講談社(こうだんしゃ))があります。カラーイラストが豊富(ほうふ)で単語の解説(かいせつ)もあり、初心者にぴったりです。
本を読んで平安時代を知っておけば、より一層(いっそう)ドラマを楽しめると思います。
(坂口佳美(さかぐちよしみ)・琴浦(ことうら)町図書館司書)