左から福田屋の「松江ふわり」、中浦食品の「あんケーキサンド」、風流堂の「ひとくち饅頭」、三英堂の「ミルク薫る白どら」

 松江を代表する新作の菓子を生み出そうと地元の老舗和菓子店と食品会社の計4社が連携する「松江OKS(お菓子)プロジェクト」。若い女性をメインターゲットに、伝統に親しみやすさを加えた各社開発の統一ブランド菓子「ご縁をむすび」が誕生した。茶どころの市民をはじめ、観光客から人気を集め、売れ行きは好調。東京での販売も予定する。不昧公(松江松平藩7代藩主・松平治郷)好みの銘菓がひしめく中、松江発の新ブランドに期待がかかる。

 人と物を結ぶ橋渡しの意味を込めてネーミングされた「ご縁をむすび」。観光土産や贈答向けで、島根の魅力を伝えるため、県産食材の使用にこだわった。ブランドイメージはご縁を連想させる紅白の色使いで表現。水引をポイントに、統一感と4種それぞれの特徴を引き出すパッケージにした。

 開発段階では、松江市内の高校生や大学生ら10~30代の女性を対象に試食会を開き、アンケートの意見を基に各社が試作を重ねた。試食会に協力した島根県立大4年の亀代羽菜さん(21)は完成したお菓子に「和菓子というと敷居が高そうなイメージがあったけれど、これなら普段から食べたい」と気に入った様子。狙い通りにターゲットに響いた。

 発売から1カ月。ご縁をむすびへの関心は高まるばかりだ。4種の詰め合わせセットを販売する島根県物産観光館(松江市殿町)では発売初日から好評で、納品が間に合わず一時品切れ状態になったことも。購買層は多くが地元客で、結婚式の引き出物用に発注する夫婦や母の日のプレゼントに購入するケースもあった。

 贈答用セットを取り扱う通販サイト「山陰いいもの五つ星ショップ」では、販売店舗がない県西部からの問い合わせが多いという。観光土産だけではなく、会合などの手土産や慶弔の贈り物など、幅広い用途で浸透しつつある。

 社員が手作りで生産する(有)三英堂の岡英介総合企画室長(38)は「4社それぞれのお菓子の特徴を生かした販路が展開できるのではないか」とする。

 6月以降、東京の日比谷しまね館でも販売を予定。伝統の和菓子で全国的に知られる松江から生まれた新ブランドの一層の飛躍が注目される。