記者会見する細田博之衆院議長=13日午後、衆院議長公邸
記者会見する細田博之衆院議長=13日午後、衆院議長公邸

 岸田文雄首相にとって正念場となる臨時国会がきょう召集される。物価高への不満が政権に向かい、支持率が最低水準に沈む中、アキレス腱(けん)になっているのが細田博之衆院議長(島根1区)の議長辞任問題だ

▼細田氏が東京都内で開いた記者会見は荒れた。旧統一教会との関係は「問題ない」、セクハラ疑惑は被害者が名乗り出ていないことを理由に「単なるうわさ話」と潔白を主張。参加する記者を制限し、約50分で会見を打ち切った。自民党島根県連幹部が「しっかりと説明される」と語っていたのとは裏腹に、批判が渦巻き、自民関係者は「東京(永田町)の空気は重い」とつぶやく

▼細田氏は28日、松江市内で地元の自民支部が開く会合に出席する。一番の関心事は、体調不良を理由に議長を辞める一方、次期衆院選に立候補するという考えだ。支持者からも「理屈が合わない」との声が上がる

▼初心に返り、地元での政治活動に意欲を示す細田氏は「一議員に戻れば時間もでき、県民と膝を交えて話をする」と語っているという。会合をその第一歩にしてほしい

▼地元での説明は支持者も求めていた。細田氏に何を聞くのか。出雲人の気質は「寡黙でおとなしく、引っ込み思案」といわれるが、思いをぶつけてほしい。次期衆院選で支えるならなおさらだ。細田氏も支持者も覚悟が問われる。県民だけでなく、全国の有権者の目が島根に注がれている。(添)