TBS系列で10月に放送された人気番組「マツコの知らない世界」で松江市寺町の老舗和菓子店・風流堂が紹介された。番組内で百貨店バイヤーが、ようかんの「果樹園の木洩れ日」と、イチジクなどを丸ごと包んだフルーツ大福「ふるる菓」を紹介し、全国各地から注文が相次いだ。創業130年を誇る老舗が商品開発で心がけるポイントや製造の裏側を取材した。
(報道部・林李奈)

 

 「果樹園の木洩れ日」と「ふるる菓」


 「果樹園の木洩れ日」(ハーフサイズ1620円)は、雲南市にあるワイナリー奥出雲葡萄園のブドウジュースと出雲市多伎町産イチジクを上の層に、下の層には小豆をこしあんとつぶあん用に別々に炊き、混ぜて作る伝統的製法の「朝汐あん」を使った商品だ。

 深い紫の上品な色合いが美しく、イチジクの種のプチプチした食感と、すっきりとした口当たりのあんが口の中で絡む。5年前に開発した商品だが、テレビで紹介されて以降、6000本売れたという。

6千本売れた「果樹園の木洩れ日」

 ふるる菓にも「朝汐あん」を使う。内藤葉子社長は「果物屋の大福ではなく、和菓子店のフルーツ大福です」とする。11月に販売したふるる菓(4個2600円)は、木次乳業のバターと多伎産イチジクを使用した「いちじく餡(あん)バター大福」など地元の素材を使用している。

 内藤社長は「あまりに多くのアクセスでホームページのサーバーがダウンし、社内は正月が来たような忙しさだった」と振り返る。

4年前に社長に就任した内藤葉子社長=松江市寺町、風流堂

 

 松江の工場見学


 松江市矢田町の工場を見学した。キャップをかぶり、保護服や靴カバーを身に着け、髪の毛やちりを工場内に入れないよう衛生面に気を配る。

 工場内には約10人が作業に励んでいた。製造していたのは...