漁で使われた道具を紹介する丹羽野輝子さん=松江市鹿島町名分、鹿島歴史民俗資料館
漁で使われた道具を紹介する丹羽野輝子さん=松江市鹿島町名分、鹿島歴史民俗資料館

 【松江】松江市鹿島町名分、鹿島歴史民俗資料館で特別展「海と湖に生きた人々」が開かれ、明治から昭和にかけて使われた漁の道具が並び、来館者の関心を集めている。

 日本海や中海、宍道湖の漁で使われ、3月に登録有形民俗文化財になった1598点のうち251点を展示した。

 中海で使われた「そりこ舟」は船底が丸みを帯びている。舟の上で熊手のような道具を使い、揺れを利用して砂をふるい落として、赤貝などを採っていた。

 宍道湖では木の枝を束ねて沈め、枝の間に入ったウナギやエビを取っていた。日本海で使ったイカやタコ専用の釣り針などもあり、海や汽水湖で独自に発達した道具が並んでいる。

 監修した同館の丹羽野輝子さん(65)は「当時の人たちの生き方や今の時代とのつながりを感じてほしい」と話した。

 2025年1月13日まで。入館料は大人・大学生300円、高校生以下無料。(林李奈)