戦後はそれが一転し、国家を強く意識させる行為があまり歓迎されなくなった。例えば「米国を再び偉大に」などと、国を賛美するようなフレーズは少なくとも日本のリベラル派は使いづらい。そんな社会で、私たちはどんなシンボルを使えるのかなと思います。
小林 市民一人一人が国や社会をつくるメンバーであることは意識できたらいい。
磯野 例えば企業が熱心にかっこいいロゴを作るのは、社員やお客さんの凝集性、つまり仲間意識を高めるためです。でも、日の丸といったシンボルには、拒否反応を示す人もいるはず。
小林 かつて日本が一つのシンボルを掲げ、「強く」「豊かに」を目指して戦争を始めてし...