イスラエルの防空システム「アイアンドーム」が飛翔体の迎撃を試みる様子=13日、テルアビブ(AP=共同)
イスラエルの防空システム「アイアンドーム」が飛翔体の迎撃を試みる様子=13日、テルアビブ(AP=共同)

 きょうも世界各地で紛争が続いている。中東では軍事大国のイスラエルとイランの対立が激化。互いの首都の高層ビル群の中にオレンジ色の閃光(せんこう)が降り注ぐ映像を見て恐怖を覚えた。新聞やテレビ、交流サイト(SNS)で多くの情報が流れる。決して遠い国の出来事ではない。

 最近、海外での取材経験が長い通信社の友人からロシアによるウクライナ侵攻の背景を聞いた。11年前、プーチン大統領はクリミア半島を一方的に併合。米国の姿勢も影響した。当時、オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と表明。「米国は弱い」とプーチン氏は受け止め、足元を見透かすように侵攻に踏み切った。

 起きている現実の裏側に何があるのか。SNSで真偽不明の情報があふれる時代。正しい情報を得るため新聞の海外面のチェックが欠かせない。

 紛争だけではない。新大統領が就任した韓国。超少子化に直面し、首都ソウルへの一極集中が進む。北欧などデジタルを積極導入した教育先進国では、子どもの学力低下や心身の不調が顕在化し、見直す動きが出ている。日本に、山陰両県に当てはめるとどうか。複眼的な見方も必要だ。

 参院選が近づいてきた。目先のことではなく、日本の将来に思いを巡らせて、政党や候補者の訴えを吟味する。世界で紛争が続く中、われわれは何ができるのか。今年は戦後80年の節目でもある。一人一人が考える夏にしたい。(添)