夏の大三角と木星、土星=8月4日、出雲(いずも)市高松町で撮影(さつえい)
夏の大三角と木星、土星=8月4日、出雲(いずも)市高松町で撮影(さつえい)

夏の大三角と合わせ形作る

 「夏の大三角(だいさんかく)」は、分かりやすい星の目印です。今の時期の午後8時ごろ、真上の空を見ると、こと座(ざ)のベガという明るい星が目につきます。そこから、東側にはくちょう座のデネブ、南側に視線(しせん)を下げるとわし座のアルタイルがあり、これら三つの星をつなぐと夏の大三角になります。

 アルタイルの下、南東の空の低いところにも、たいへん明るい星が二つ出ています。左側のひときわ輝(かがや)いているのが木星(もくせい)、右側に見えるのが土星(どせい)です。アルタイルと木星、土星を結ぶと夏の大三角の上下をひっくり返したような三角形になります。夏の大三角と合わせると、リボンのような形ができますね。

 ただし、この形はいつも描(えが)けるものではありません。昨年は木星と土星がすぐ近くに寄(よ)り添(そ)っていました。木星も土星も星座に対してそれぞれ少しずつ動いていて、毎年同じ位置に見えるわけではないのです。

 木星と土星は、地球と同じように太陽の周りを回る惑星(わくせい)です。その回る速さは、太陽から遠い惑星ほど遅(おそ)くなります。土星は木星の外側を回っていますので、木星よりもゆっくり動きます。このため、昨年地球から見て木星と同じ方向にあった土星が、一年でより速い木星に引き離(はな)されたのです。

 その結果、木星と土星が夏の大三角とともに、今年だけ見える特別な大きなリボンを形作っています。五つの明るい星は街中でも十分探(さが)せますから、ぜひ見てください。


◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)