山陰での9月9日午後7時すぎの空=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図を元に作成
山陰での9月9日午後7時すぎの空=アストロアーツ/ステラナビゲータの星図を元に作成

9日に楽しめる三日月と惑星

 山陰(さんいん)地方には、夕日の名所がたくさんあります。できればそんな空の開けた場所で、9月9日の午後7時ごろ、西を見てください。日没(にちぼつ)から30分ぐらい経(た)っているので、空は少しだけ暗くなっていて、そこには三日月(みかづき)が見られるはずです。

 月の左には、金星(きんせい)が見えています。日の入りから夜のはじめごろを宵(よい)といいますが、「宵の明星(みょうじょう)」と呼(よ)ばれるだけあってたいへん明るく、細い三日月より先に見つける人もいることでしょう。

 また、月の下には水星(すいせい)があります。ただし、かなり低い位置です。だからこそ、夕日が見える海岸などで見るのがおすすめなのです。

 太陽の周りを回る惑星(わくせい)のうち、太陽のすぐそばを回る水星は、いつも太陽の近くにしか見えません。太陽が沈(しず)んだあたりの空はまだ明るく、見にくいかもしれませんが、この日は月が目印になっているので見つけてみましょう。双眼鏡(そうがんきょう)があると、より探(さが)しやすくなります。

 太陽が沈んですぐに暗くなれば水星を見つけやすいのですが、そうならないのは、地球の空気が地平線の下の太陽から光を伝えているからです。そのおかげで、明るい青空がだんだん暗い青になり、やがて黒い夜空になるという、色の変化が生まれています。

 宵の濃(こ)い青の中で三日月や星が光っているのは、なんともいえないよい眺(なが)めです。翌日(よくじつ)の10日は、月が金星の近くにやって来ますし、その次の日ぐらいまでこのような細い月と惑星の景色(けしき)が楽しめます。

 ◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)