月のおもな海の名前=三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
月のおもな海の名前=三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)

月で最大の海、長さ2600キロ

 21日は中秋(ちゅうしゅう)の名月(めいげつ)でしたが、お月見はできましたか。

 月ではウサギがもちつきをしているといいます。それは、月の表面の「海」と呼(よ)ばれる地形がそのような模様(もよう)に見えるからです。海といっても、地球の海と違(ちが)って水はなく、その正体は黒っぽい岩石で覆(おお)われた平地です。はるか昔、月の内部からあふれ出した溶岩(ようがん)が表面に広がり、冷え固まってできました。

 月の海には「静かの海」「晴(はれ)の海」などの名前がついています。そんな中に「嵐(あらし)の大洋(たいよう)」と呼ばれる海があります。場所は「ウサギのもちつき」でいえば、ウサギの後脚(うしろあし)か、うすの下の部分あたりでしょうか。太平洋のように「洋」とつくのは、それだけ広いことを意味しています。端(はし)から端まで約2600キロで、面積だと日本海の2倍ほどあります。月で最大の海です。

 嵐の大洋のある部分の地下には、溶岩が流れた後にできた洞(どう)くつがあり、そこに通じる縦穴(たてあな)も日本の月探査機(たんさき)によって見つかっています。将来(しょうらい)、月で人間が活動するとき、洞くつの中は隕石(いんせき)や有害な光線から身を守るのに都合がよいため、月面基地(きち)を造(つく)る候補地(こうほち)となっています。

 昨年は中国の月探査機が、嵐の大洋から岩石を持ち帰りましたので、今後さらにいろいろな発見があることでしょう。

 満月(まんげつ)を過(す)ぎた今は、ウサギの耳のあたりから欠けてきていますが、嵐の大洋はよく見えます。月の出の時刻(じこく)は、山陰(さんいん)中央新報(しんぽう)本紙の「あすの暦(こよみ)」で確認(かくにん)してください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)