気掛かりな点があったとしても、本人たちが固い決意で決めたことなら騒ぎ立てずに温かく見守りたい。互いに30歳近くになれば一定の分別はあるし、詳しい事情は、本人や家族にしか分からない。たとえどんな立場であっても、幸せを目指す権利は変わらないはずだ▼秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚が正式に発表された。ただ、道のりは平坦(へいたん)ではなかった。小室さんの母親が絡む金銭トラブルや結婚延期、さらに2018年8月からは小室さんの米国留学で、離れ離れが続いた。同年代の女性からは「3年も離れていて、すごいよね」との声も聞く。それだけに、幸せになっていただきたい▼宮内庁によると、結婚に関連する皇室儀式は行わず、今月26日に婚姻届を出し、2人で記者会見。皇室を離脱する際の一時金も受け取らず、小室さんが働く予定の米ニューヨークで生活されるという▼思えば、昨年11月の会見で「本当に確固たる意志があれば、それを尊重すべきだと私は思います」と結婚を認められた秋篠宮さま。皇室の伝統や威厳と、親としての思いが交錯する複雑な心境だっただろうと拝察する▼心配なのは、一連の騒ぎで、眞子さまが「複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の状態にあること。そこで、小室さんに望みたいのは、昔流に言えば「男の矜持(きょうじ)」。外見だけでなく、真に頼れるパートナーを目指してほしい。(己)