「地質学によって私たちが暮らす大地の成り立ちや特徴を知ることができる」と話す今井悟さん=大田市三瓶町多根の島根県立三瓶自然館サヒメル
「地質学によって私たちが暮らす大地の成り立ちや特徴を知ることができる」と話す今井悟さん=大田市三瓶町多根の島根県立三瓶自然館サヒメル
収集した甲殻類の巣穴の化石を手に持つ学芸員の今井悟さん=島根県立三瓶自然館資料室
収集した甲殻類の巣穴の化石を手に持つ学芸員の今井悟さん=島根県立三瓶自然館資料室
「地質学によって私たちが暮らす大地の成り立ちや特徴を知ることができる」と話す今井悟さん=大田市三瓶町多根の島根県立三瓶自然館サヒメル 収集した甲殻類の巣穴の化石を手に持つ学芸員の今井悟さん=島根県立三瓶自然館資料室

地質学学芸員
 今井 悟さん(大田市三瓶町多根)

 島根県内の自然や国立公園三瓶山(さんべさん)に関する資料(しりょう)を収集(しゅうしゅう)、展示(てんじ)する県立三瓶自然館サヒメル(大田(おおだ)市三瓶町多根(たね))で、今年4月から地質学(ちしつがく)の学芸員(研究員)を務(つと)める今井悟(いまいさとる)さん(29)。開催(かいさい)中の企画展(きかくてん)「ポケモン化石博物館」に展示された古浦(こうら)海岸(松江(まつえ)市鹿島(かしま)町)の解説(かいせつ)を前に「古浦海岸の地層(ちそう)は、約2千万年前の日本海ができはじめた時代に湖で堆積(たいせき)した砂(すな)や泥(どろ)でできています」と説明。「私(わたし)たちは大地の上に生き、大地の恵(めぐ)みを受けて暮(く)らしています。大地の成り立ちや特徴(とくちょう)を知ることで、その土地ならではの景色(けしき)や文化まで見えてきます」と話します。

 今井さんは高知市出身。小学生の頃(ころ)から図鑑(ずかん)に載(の)る大昔の生き物のページを見るのが好きで、化石や地層について学びました。

 地質調査(ちょうさ)会社を経(へ)て土佐清水(とさしみず)ジオパーク専門員(せんもんいん)となりましたが、「自分たちの住む地域(ちいき)の自然や成り立ちをもっと知ってもらいたくて、それを果たせる博物館で働(はたら)きたい」と、サヒメルを運営(うんえい)する「しまね自然と環境財団(かんきょうざいだん)」の研究員採用試験(さいようしけん)を受けました。高知大学大学院に籍(せき)もあり、より専門的(せんもんてき)な知識(ちしき)の取得(しゅとく)を目指しています。

 博物館の学芸員は、欠員(けついん)が出ないとなりにくく、狭(せま)き門です。しかし、「日本海や、大きな湖、火山のそばといった、高知とは違(ちが)う自然環境の場所に住んでみたい思いもあった」という今井さん。大学時代に日本列島がユーラシア大陸から急速に離(はな)れ移動(いどう)した時代の地層を研究していたことで「島根にはその時代の地層が分布(ぶんぷ)しているので、専門性(せい)を生かせる島根で働きたいと思いました」。

 4月に就職後、今の企画展に関わったほか、地質関連の資料の収集、管理や今後の展示に向けた準備(じゅんび)、小中高校向けの地層学習の指導(しどう)に当たっています。今後の抱負(ほうふ)を「野外を巡(めぐ)り、世界中の誰(だれ)も見たことがなかったもの、知らなかったことを発見した感動を、展示を通して来館者と共有すること」といいます。

 

みなさんへ
 いろいろなものに触(ふ)れて、自分が心から好きになれるものを見つけてほしいですね。そのことが進学や就職(しゅうしょく)に悩(なや)む時に、助けになります。夢中(むちゅう)になれることがあるのは強みです。博物館がその出会いの場になるといいな、と思っています。