冬の大三角と、いっかくじゅう座=2020年2月14日、大田市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)
冬の大三角と、いっかくじゅう座=2020年2月14日、大田市の三瓶山北の原で撮影(さつえい)

 大三角に囲まれた星座

 オリオン座(ざ)のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンという三つの星を結ぶと、「冬の大三角(だいさんかく)」ができます。ほとんど正三角形に近い整った形で、たいへん目を引きます。今の時期は、午後7時ごろなら南東の空、10時ごろなら南の空に輝(かがや)きます。

 その大三角の中に一つ星座があります。いっかくじゅう座です。一角獣(いっかくじゅう)とは馬のような姿(すがた)をして、頭に一本の角(つの)がある想像(そうぞう)上の生き物です。どんないわれがあるのか気になるところですが、この星座にまつわる神話はありません。なぜなら、古くからあるのではなく、どちらかといえば新しくできた星座だからです。

 昔、メソポタミア、つまり今のイラクのあたりで作り出された星座は、やがてギリシャに伝わり神話に結びつけられました。2世紀(せいき)になって、ある天文学者がこれまでに知られていた星座をまとめました。48星座あり、そのほぼすべてが現在(げんざい)も使われています。

 16世紀ごろになると、天文学者は空のどの部分もくまなく観測(かんそく)するようになりました。そこで、星の位置を表すのに便利なように、目立つ星がなくもともと星座がなかった部分にも、新しい星座を次々と作ったのです。

 いっかくじゅう座もその一つで、17世紀ごろ定められました。ですから、たどるのが難(むずか)しいほどの暗い星ばかりでできているのですが、明るい三つの星に囲(かこ)まれているため、どこにあるのかはすぐ分かります。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)