JAXA H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ 名村(なむら) 栄次郎(えいじろう)
JAXA H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ 名村(なむら) 栄次郎(えいじろう)
JAXA H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ 名村(なむら) 栄次郎(えいじろう)

猛スピードで飛べば地面に落ちてこない

 宇(う)宙(ちゅう)船(せん)の中でプカプカ浮(う)いている宇宙飛(ひ)行(こう)士(し)の姿(すがた)。皆(みな)さんもテレビなどで目にしたことがあると思います。宇宙は上空100キロメートルの先に広がる世界です。さあ、この高さまで真っすぐ飛び上がってみましょう。

 ぐんぐん上(じょう)昇(しょう)して100キロメートルに到(とう)達(たつ)、足元には青い地球が見えます。さて、皆さんの体はプカプカ浮きだすでしょうか。残念ながら次の瞬(しゅん)間(かん)、地上に向かって真(ま)っ逆(さか)さまに落下。宇宙飛行士となにが違(ちが)うのでしょう。

 ちょっと話題を変えてボールを横向きに投げたときのことを想(そう)像(ぞう)してください。手を離(はな)れたボールは進むにつれ少しずつ落ちていき最後は地面に落ちますよね。もっと速く投げるとやはり地面には落ちますが、さっきより遠くまで届(とど)きました。

 もっともっと速いボールを投げるとどうなるでしょう。地面に落ちるまでの距(きょ)離(り)はどんどん長くなり、ついには地面に落ちることなく地球を一周して戻(もど)ってきます。

 どんなに速く投げてもボールは少しずつ落ちていきますが、地球が丸いためボールの進んだ先では地面も下がっていきます。このため、スピードが速くなるとボールと地面の距離は変わらなくなり、いつまでも地面に落ちてこないのです。

 宇宙飛行士もこれと同じで地面に沿(そ)って猛(もう)スピードで飛んでいるため、いつまでも宇宙にいる、つまり上空に浮いていることができるのです。この時のスピードは新(しん)幹(かん)線(せん)の100倍にもなるのですが、このスピードを実(じつ)現(げん)する世界最速の乗り物、それがロケットです。

 

 

JAXA H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ
 名村(なむら) 栄次郎(えいじろう)

■略歴
 1967年出(いず)雲(も)市大(たい)社(しゃ)町生まれ。大社小、大社中、大社高校卒。91年東京大学工学部卒。宇宙開発事(じ)業(ぎょう)団(だん)(現(げん)、JAXA(ジャクサ)=宇宙航空研究開発機(き)構(こう))入社。現(げん)在(ざい)、2021年度に1号機の打ち上げを目指している新(しん)型(がた)の大型ロケット(H3ロケット)の開発を担(たん)当(とう)。