筑波大学微生物サステイナビリティ研究センター准教授 橋本 義輝
筑波大学微生物サステイナビリティ研究センター准教授 橋本 義輝
筑波大学微生物サステイナビリティ研究センター准教授 橋本 義輝

生きるために必要な化学反応を行う存在

 タンパク質(しつ)は、微(び)生(せい)物(ぶつ)からヒトまですべての生き物がもっています。タンパク質にはいろいろな働きがあり、酵(こう)素(そ)は体の中での化学反(はん)応(のう)を行う(●を▲に変える、見方を変えると●から▲を作る)働きを担(たん)当(とう)しています。食べ物を消化してエネルギーに変えるのも化学反応なので、生きていくには酵素は必要です。

 酵素はとても小さく目で見ることができません。イメージしにくいですね。しかし、研究者はたくさんの酵素の中から特定の酵素を見つけ出し、それを使っていろいろな「もの」を作っています。その「もの」は身近な食品にも使われているので紹(しょう)介(かい)します。

 スーパーでジュースを見てみましょう。原材料名のところに「果(か)糖(とう)ぶどう糖液(えき)糖」と書いてあるものが見つかるはずです。果糖ぶどう糖液糖は、「グルコースイソメラーゼ」という酵素で「ぶどう糖」を「果糖」に変えて作っています。果糖はぶどう糖よりも甘(あま)いので少ない量で同じ甘さにできます。また、低い温度で甘さがより強くなるので、冷たいジュースにはもってこいです。

 実は、ぶどう糖も酵素で作っています。ご飯を口の中でかんでいると、どんどん甘くなりますね。これはだ液の中の「アミラーゼ」という酵素が「でんぷん」を甘い「ぶどう糖」に変える化学反応を行っているからです。ジュースを作るときは、微生物のアミラーゼででんぷんをぶどう糖に変えています。

 酵素は体の中でも外でも人知れずがんばっているのです。

 

筑波大学微生物サステイナビリティ研究センター准教授
橋本 義輝

■略(りゃく)歴(れき)
 1969年生まれ。益(ます)田(だ)市飯浦(いいのうら)小、小(お)野(の)中、益田高校卒。92年広島大学工学部醗(はっ)酵(こう)工学課(か)程(てい)卒。94年広島大学大学院修(しゅう)士(し)修(しゅう)了(りょう)。97年大阪大学大学院博(はく)士(し)修了(工学)。日本学(がく)術(じゅつ)振(しん)興(こう)会特別研究員などを経(へ)て2000年から筑(つく)波(ば)大学。11年より現(げん)職(しょく)