前回のすばると火星の接近の様子=2019年4月4日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
前回のすばると火星の接近の様子=2019年4月4日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)

3月上旬 火星が近づく

 6個(こ)ほどの星がひとかたまりになって見える「すばる」は、星空全体の中でもかなり目を引く存在(そんざい)です。プレアデス星(せい)団(だん)という名前より、日本に昔からあるその呼(よ)び名で親しまれているように思います。

 すばるは星(せい)座(ざ)でいうと、おうし座の一部です。おうし座は、星(ほし)占(うらな)いでも使ういわゆる12星座の一つですね。12星座というのは、太陽が1年かけて動く通り道にある星座です。昼間に星座は見えませんが、太陽はいつもいずれかの12星座のあたりに位置しています。

 そして、12星座は惑星(わくせい)の通り道でもあります。金星(きんせい)や火(か)星(せい)といった惑星は、ゆっくりですがそれぞれ異(こと)なる速さで、12星座を移(うつ)り渡(わた)っていくように見えます。ですから、おうし座にあるすばるには、ときおり惑星が近づきます。

 例えば、昨年4月には、金星がすばるに近づき、すばるの中に入って見えるほどでした。このように、すばると明るい惑星が並(なら)ぶ様子は、たいへん見ごたえがあります。そして今度は、約2年ぶりにすばると火星が接近(せっきん)します。

 すばると火星はこれから3月半ばまで、午後7時から9時ごろの西の空に並んで見えます。その左側にやや離(はな)れて、おうし座のアルデバランという、火星とよく似(に)た明るさと赤さを持つ星が光っているのも見どころです。

 双眼鏡(そうがんきょう)を使えば、すばるの青と火星の赤の色の対(たい)比(ひ)も楽しめます。2月26日ごろから3月10日ごろまでは、双眼鏡ですばると火星が一度に捉(とら)えられるほど近づいているはずです。最も近づくのは3月4日。接近し、離れていく様子を観察してください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)