「子どもに対してどれだけ本気になれるかが鍵」と語る泉房穂さん
「子どもに対してどれだけ本気になれるかが鍵」と語る泉房穂さん


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 ―明石の政策はどの町でもできると言っている。

 「『5つの無料化』の年間予算額は、約34億円で、全体予算約2千億円の1・7%に過ぎない。『18歳までの医療費無料』は明石が始めた後、兵庫県内では10市町村以上が実施している。子どもに対してどれだけ本気になれるか鍵だ」

 ―駅前に「あかしこども広場」をつくった経緯は。

 「就任時、駅前の再開発計画が進んでいて複合施設は市役所の一部機能のほか、パチンコ店や消費者金融が入る予定だった。市民アンケートで図書館と子育て支援施設が必要との声が上がり、計画を変更した。遊び賃がいらないし、本を借りるのも無料。お金が浮き、近くの飲食店や商店街の利用につながった」

 ―医療費の無償化には反対意見もある。

 「基本的な金銭面の支援は国の役割。本来は国がやるべきだが、国がやらないならと始めた。自治体間の無償化競争には反対。住民に身近な点を生かし、市区町村は『寄り添う支援』を担うべきだと思っている」

 

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 いずみ・ふさほ 兵庫県明石市生まれ。NHKディレクター、弁護士、衆院議員(1期)などを経て、2011年5月から3期、明石市長を務めた。