届いた電子メールの表題を見て、思わず首をかしげた。<リスケのご連絡>。差出人は初めてやりとりする内閣府の職員。リスケって何?▼調べると日程を再調整する意味の「リスケジュール」の略語だった。東京・霞が関で取材する30代の同僚に聞くと、「役人や経営者たちの間でよく使われているが、最初は自分も意味が分からず、戸惑った」という▼もともと、ある大臣が地方新聞社の論説委員とリモートで懇談したいという誘いが発端だった。国会会期中で日程が急きょ変更になるのは理解できる。ただ、内容を記録・公表しないのが参加の条件。「地方の意見も聞きました」という〝アリバイづくり〟に利用されているとの疑念が払えない上、軽さを感じるメールの表題に「<リスケのご連絡>じゃなく<日程再調整のお願い>だろう」と批判が口をついた▼これに限らず、最近は難解なビジネス用語が散見される。ウィンウィン(双方に利点がある良好な人間関係)には慣れてきたが、コミットメント(約束、深い関与)、アジェンダ(検討課題)などと自慢げに言われると、「日本語で話せ」と怒りたくもなる▼きょう6月6日は、怒りやいら立ちをコントロールする「アンガーマネジメントの日」。怒りが「ム(6)カム(6)カ」と表現されるのが由来で、怒りのピークが持続する時間も6秒だ。難解な用語にも、6秒数えて心を落ち着かせる。(健)