1月14日は、南極に置き去りにされた犬の生存(せいぞん)が確認(かくにん)されたことにちなんで「タロとジロの日」と制定(せいてい)されたそうです。そこで今回は人とともに生きる犬が登場する本を紹介(しょうかい)します。
『南極犬物語(なんきょくけんものがたり) 新装版(しんそうばん)』(綾野(あやの)まさる作、くまおり純(じゅん)絵、ハート出版(しゅっぱん))は、1956年に南極観測隊(かんそくたい)とともに南極へ行ったカラフト犬タロとジロの実話をもとに作られたお話です。
犬ぞりを引くために南極へやってきた犬たち。長い船旅や犬ぞり訓練をするうちに、犬嫌(ぎら)いの隊員も犬たちのことを好きになり、隊員たちと犬の絆(きずな)はだんだん深まっていきます。
しかし、観測隊は犬たちを南極へ置いて帰国しなければならない事態(じたい)が発生。すぐに次の観測隊が到着(とうちゃく)するはずが、計画は断念(だんねん)。15頭のカラフト犬は鎖(くさり)につながれたまま南極に残されてしまいました。
それから約1年後、全国から寄(よ)せられた犬を助けてという声におされ、観測隊が南極へ向かうと二つの黒い影(かげ)を発見。タロとジロの2頭であることが分かり、日本だけではなく世界中が感動につつまれました。
『マジック・ツリーハウス探検(たんけん)ガイド すばらしき犬(いぬ)たち』(メアリー・ポープ・オズボーン/ナタリー・ポープ・ボイス著(ちょ)、高畑智子(たかばたけともこ)訳(やく)、メディアファクトリー)は、『マジック・ツリーハウス』の作者メアリー・ポープ・オズボーンが、シリーズに登場する救助犬(きゅうじょけん)について、広く深く理解(りかい)してもらいたいという思いを込(こ)めて書いた本です。
救助犬はもちろん、補助(ほじょ)犬や探知(たんち)犬など人のサポートをする犬たちが紹介されています。中には子どもと一緒(いっしょ)に本を読む読書教育援助(えんじょ)犬や、人間の血糖値(けっとうち)の変化をにおいで感じ取るよう訓練された糖尿病(とうにょうびょう)感知犬など、あまり知られていない犬たちも登場しますよ。
『しあわせないぬになるには にんげんにはないしょだよ』(ジョー・ウィリアムソン作、木坂涼(きさかりょう)訳、徳間(とくま)書店)は、「ぜんこくのいぬのみなさんワンにちは!」の書き出しから始まる、飼(か)い主と楽しく幸せに暮(く)らすためのヒミツを犬視点(してん)から描(か)いた絵本です。
最初に大事なのは、「この人だ!」という人間を選ぶことやごはんを食べたあと食べていないふりをするとまたごはんがもらえたりすること、芸をするとごほうびがもらえることなど、人との生活のヒントを次々に紹介していきます。
突然(とつぜん)飛びつくなど飼い主にとってはちょっと困(こま)る行動も、犬なりの考えがあるのですね。ちなみにこの絵本は犬向けに書かれた本なので、人間たちには内緒(ないしょ)なのだそうです。犬に見つからないようにこっそり読んでみてくださいね。
今日紹介した本によると、人と犬の付き合いは長く、1万4千年前からともに生きていたことが分かっているそうです。これからもずっと助け合いながら仲良くしていきたいですね。
(古川(ふるかわ)愛生(あおい)・松江(まつえ)市立大庭(おおば)小学校司書)