これまで経験したことのない熱気と一体感を味わった。14日に松江市総合体育館であったバスケットボールB1島根スサノオマジックの試合を観戦した。年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)出場へ向け、正念場の一戦だ。
ところが前半を終え、昨季王者の琉球ゴールデンキングスに12点のリードを許した。前日に続く敗戦が脳裏をよぎる中、島根は粘り強い守備で徐々に挽回。すると、4500人が駆け付けた観客席の応援の熱量は最高潮に達した。
メガホンを打ち鳴らして声援を送るのはいつも通りなのだが、ギアが一段上がったような特別な雰囲気を感じた。CS進出を願うファンの熱意の強さなのだろう。そんな後押しを受けた選手が燃えないはずがない。逆転勝利を飾ると会場は歓喜に包まれた。
さて、こちらの熱量はどうか。衆院島根1区補選がきのう告示された。岸田政権の命運を握る選挙区とされ、与野党とも正念場と位置付けるものの、肝心な有権者の反応はいまひとつに映る。「政治とカネ」問題への不信感が要因だろう。とはいえ、われわれ有権者が政治を諦めてしまっては地域課題が改善へ向かうはずがない。
投開票日の28日はB1島根のホーム最終戦が行われる。相手はCS進出争いを繰り広げる広島ドラゴンフライズ。ファンの熱量はさらに高まりそうだが、地域の未来のためにも、応援の前に選挙で「一票」を投じたい。(健)